お問い合わせ会社概要サイトマップ
Home書籍情報ディジタル移動通信・シリーズ < スペクトル拡散通信
ディジタル移動通信
電子情報通信大系
ディジタル信号処理/画像処理
コンピュータサイエンス
エレクトロニクス
Javaとその応用
暗号理論とセキュリティ
Waveletとその応用
MATLAB/Octave
計算力学
Mathematicaとその応用
デザイン情報
地震工学・建築土木工学
化学大系
科学技術数学
映像情報/ディジタルテレビジョン放送
計算統計学
コミュニケーション&ネットワーク
理工系の基礎数学
その他書籍
←一覧に戻る
スペクトル拡散通信
Marvin K. Simon 他著
横山 光雄 他監訳
大森 慎吾 他監訳
2巻セット 39,800円
A5 1488頁
4-87653-051-3 C3055
過去数十年の間に、スペクトル拡散システムは重要な新しい通信領域を開拓し、基礎を築いた。例えば、CDMAセルラーシステムや無線パーソナル通信ネットワーク等である。通信技術者や研究者は、この最新版の豊富な材料を盛り込んだ一冊の専門書により、「スペクトル拡散システム」に関するあらゆる必要な知識と情報を獲得することができる。本書は、現在入手できるスペクトル拡散通信に関する本としては、最も包括的で権威があり、大要をまとめている。

本書は、この分野の世界的権威者と認められる著者によって執筆されたもので、理論的な基礎、実際の応用、技術者の問題に簡潔で結果を重視した答えを用意している。

本書は、基本的な概念とシステムモデルから始まり、耐ジャミング通信システム、コヒーレント直接拡散システム、ノンコヒーレント周波数ホップシステム、コヒーレントおよび差動コヒーレント変調技術、直接スペクトル拡散におけるPN系列初期接続と追跡、周波数ホッピング受信機の時間と周波数同期、そして傍受通信における低確率化など。更に、多元接続や、測位などにおける諸問題についても相当深く掘り下げて説明を加えている。



具体的に本書の内容を章ごとに紹介すると以下のようになる。

第I部 スペクトル拡散通信の紹介

第1章 「スペクトル拡散の概要」を述べたもので、帯域拡張により発生するさまざまな利点を紹介し、エネルギー配分の問題、スペクトル拡散用として選択すべき波形、システム構成、ジャミングへの耐性、干渉除去、時間分解能など、入門の章として包括的な説明を試みている。

第2章 「スペクトル拡散の歴史的な経緯」を述べた章である。レーダーの起源に始まり、傍受を避けるために雑音源の利用や相関技術の発展を通して、初期のスペクトル拡散システムが萌芽してきたこと、その後さまざまな改良や技術革新により現在の形態に至る迄のことが述べられている。

第3章 「ジャミング通信の基本的な設計手法」とその具体例(DS/BPSKとFH/BFSK)を紹介した章である。初期接続や同期という基本的な動作は確立しているとして議論を進めている。性能評価の解析を、種々の状況に応じて行っている。符号化やインターリーブが威力を発揮することを具体例で示している。本章は、更に詳細を説明する、第1部, 第4章、第2部, 第1章と2章、の準備の章である。

第4章 「ジャミング通信システムの解析法」を扱った章である。通常の通信システムでのビット誤り率を計算するのに比べて耐ジャミング通信システムでのビット誤り率を求めることは容易ではない。これは、故意に妨害を加える信号は恣意的な理由による。解析では、一般解として、誤りの上界を示した。

第5章 「似雑音(PN)発生器」について解説している。PN系列は、直接スペクトル拡散(DS)における変調源、周波数ホッピング(FH)のホップパターンを決める元になるもので、非常に重要である。本章では、数学的な発生の仕組、シフトレジスタ構成、性質、DSやFH多元接続へ適用する際の設計法などが示される。


第II部 伝統的なスペクトル拡散通信システム

第6章 「コヒーレント直接スペクトル拡散通信システム」を扱った章である。システム構成、任意あるいは特定のジャマーに対するビット誤り率、パルスジャミングの影響、フェージングチャネルでのビット誤り率、等を扱っている。

第7章 「ノンコヒーレント周波数ホッピングシステム」を扱った章である。広帯域雑音ジャミング、部分帯域雑音ジャミング、マルチトーンジャミング、符号化による対策、フェージングチャネルにおける解析などを扱っている。


第III部 他の周波数ホッピングシステム

第8章 「周波数ホッピングシステム」ではコヒーレントな位相保持が困難として通常扱わないが、本章では、「コヒーレントな変調技術」を紹介している。位相コヒーレントな候補として、FH/QPSK, FH/QASK, FH/PN/QPSK, FH/PN/QASK, FH/QPRを取り上げ、種々のジャミング特性を導いている。

第9章 絶対位相でなく、「差動コヒーレント変調技術」を用いると、種々の条件が緩和される。本章では、FH/MDPSKとFH/DQASKについて、「部分帯域雑音ジャミングやマルチトーンジャミング」などに対する性能解析を行っている。


第IV部 スペクトル拡散システムの同期

第10章「直接スペクトル拡散通信システムにおけるPN系列の初期接続を確立」するための諸技術が解説されている。サーチ、同期確立判定法、同期確立の高速化、同期回路の解析、擬似ロックと対策、同期確立までの所要時間、など同期の初期操作にかかわる事項を扱っている。

第11章 第10章で同期の獲得が完成した後の「同期保持(追跡)」について説明している。同期保持の回路には、delay-lock loop, tau-dither loop, double dither loop, modified code tracking loop, complex sum loop などさまざまなループ回路があるが、本章では、それらを順次解析している。

第12章 「周波数ホッピングシステムにおける時間と周波数同期」について述べた章である。サーチを行いFHの周波数ホップパターンと受信機周波数ホップパターンをあわせるが、そのための能動、受動の相関動作、時間同期の維持、周波数同期の維持、ジャミングによる影響などを扱っている。


第V部 特別なトピックス

第13章 通信の妨害、傍受を避ける技術など、主に「軍用通信の用途にかかわる技術」が述べられている。既に、これまでの章で、妨害に関する多くの記載を行っているので、本章では、信号検出問題として種々のタイプのエネルギー検出器について解析を行い、実現方法、性能評価を行っている。

第14章 「多元接続」についての内容を扱っている。同一形態のスペクトル拡散通信システムが多数存在するなかでの通信回線の実現法である。ネットワークとして、点と点を結び付けて幾つかの受信器を介して希望の相手に情報を届ける方法と、中央局のようなものが点在する通信者を結び付けて処理する方法を議論している。

第15章 「商業ベースへの応用」を扱った章である。FCCのルール、セルラーCDMA標準化(米国のIS-95について)、PCS/PCNへの適用など、近年話題となっている移動通信への応用面についての記述が行われている。
 
書籍情報 ご注文方法 人材募集お問い合わせ会社概要サイトマップ