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Linuxによる情報リテラシー |
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木村 広 著 |
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3,600円 |
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A5 368頁 |
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4-87653-110-2 C3055 |
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「情報リテラシー」とはコンピュータやネットワークを使った情報の読み書きを学習する授業のことである。コンピュータを利用した文書や図の作成、それらのネットワーク上でのやり取り、自分の手にした問題をコンピュータで表現し、考え、あるいは解くことができるようになることを目標としている。本書は Linux の利用を前提に解説を行っている。 本書中の``Linux''の記述は``UNIX''と読み替えることも可能である。Linuxは各種サーバ、プログラミング開発の方面でも人気が急上昇中である。本書は Linux の基本的なアプリケーションの具体的な操作方法に加え、その仕組みについて半歩踏み込んだ内容を盛り込んでいる。Linux 以外のシステムを利用しなければならない状況であっても、本書で学んだ内容は応用が効くはずである。また本書の内容を理解していれば、後年のさらに進んだ情報系授業へもスムーズに入っていけるであろう。本書は「情報リテラシー」というタイトルしているが、「UNIX 入門書」として使うこともできる。
本書の内容
本書は工学部学生がその大学時代に必要となるコンピュータを使った表現、コミュニケーション、解析の具体的手法を網羅的に紹介している。本書はコンピュータをまったく触った経験なしに情報リテラシーを受講する大学一年生を対象としている。内容はコンピュータに興味をもつ高校生や中学生でもじゅうぶんに理解できるようになっている。機材と余裕と興味があるのなら、DOS/V 機等への Linux のインストールに挑戦することを強くすすめる。
第1章 では「ディジタルコンピュータの原理」を概説している。ここでは、チューリングマシンが早くも登場する。
第2章では、キーボード、マウスの使い方、ディスプレイ、その他の周辺機器について説明している。
第3章は、コンピュータのアカウントとパスワード、ログイン、ログアウトの方法の説明となっている。
第4章は、Linux の標準的なウィンドウシステムの X と、X 上の代表的なウィンドウマネージャのひとつ、WindowMaker の操作を学び、カスタマイズにも手を初める展開となっている。X の特徴であるリモートディスプレイや、Windows や Macintosh で X を利用する方法も概説している。
第5章は、グラフィクスアプリケーション xpaint、tgif、ImageMagickを説明している。これによって、マウスやキーボードを使ったウィンドウの操作が身につけられる。ペイント系、ドロー系のグラフィクスの違い、各種グラフィクスフォーマットの違いについても概説している。
第6章では世界最強のエディタ Emacs の基本的な操作を学ぶ。便利なコマンドやモード、オンラインマニュアルの読み方、簡単なカスタマイズの方法を紹介している。
第7章は Emacs、Netscape、Tgif への日本語入力について概説である。かな漢字変換サーバにCanna、インプットメソッドに Canna/mule および Kinput2 を使用する。
第8章は、ネットワーク時代には不可欠とも言える電子メールの使用法を解説している。Emacs 上の MUA(Mail User Agent)、Mew を使用する。Netscape の MUA を使う方法も一部紹介している。
第9章は、Emacs + gnus を使ったUsenetNewsの購読についての解説を行っている。
第10章では、Web サービスの仕組みをざっと見たあと、代表的な Web クライアントである Netscape の使用法、それから自分の Web ページの作成へと進む展開をはかっている。プログラミングの感覚を養うため、HTML を直接 Emacs からエディットを行う。
第11章は、Linux のシェル(bash)を含むコマンドについて簡単に紹介している。シェルプログラミングについてもその基本的な部分を解説している。
第12章は、TCP/IPによるネットワークの仕組みを概説となっている。ネットワークの具体的なイメージを持つことは、次の暗号の必要性を理解することのみならず、正しくネットワークを使うための基礎となるものである。
第13章は、ネットワーク時代における暗号の必要性とともに、広く使われ始めた PGP の具体的な使用法を学ぶ。ここで取り上げるPGP はバージョン 5.0iある。
第14章は、文書整形システム LaTeX の基本的な使い方を述べている。凝ったページのデザインが必要でなければ、本書の内容でじゅうぶんに LaTeX を使えるようになる筈である。
第15章は、数式処理システム math をその高性能電卓としての機能に絞って解説している。本書中で紹介するアプリケーションの中で math だけが有償である。math は C や FORTRAN よりもある意味では手軽で、多くの場合、有用である。math は工学部学生が学ぶ十分な価値のあるシステムと言える。
本書の付録として DOS/V 機への Linux インストールの概略、フリーソフトの Linuxへのインストールの方法が述べられている。 |
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