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ウェーブレットとサブバンド符号化
ヴェテルリ 他著
コヴァルチェヴィク 他著
池原 雅章 訳
24,000円
A5 568頁
4-87653-039-4 C3055
本書は、ウエーブレット変換を信号の展開あるいは変換として捕らえ、フーリエのような古典的な方法、特に短時間フーリエ変換と対比しながら解説している。離散時間、及び連続時間ウエーブレット変換ならびに過剰形であるフレームまで深く議論している。

本書の第一著者は、P.P. Vaidyanathan, M.J.T. Smithと並び1980年代からフィルタバンクの研究に着手したこの分野の第一人者である。

本書は、そのような背景から信号処理に基づいて記述した工学書ではあるが、Daubechiesの著書を引用しながらかなり数学的な議論を行っている。その意味では、本書は工学を学ぶ読者のみならず、数学的な側面からウエーブレットを研究する技術者・研究者・学生にとっても座右に常に置くべき一書であると言える。特に調和解析に親しんだ読者には理解しやすい筈だ。

また信号処理、特に情報圧縮に興味のある人にとっては、7章は最適である。信号の量子化、エントロピー符号化の基礎から、ウエーブレットを使ったサブバンド符号化、さらには最新のEZW(埋め込みゼロツリー)まで幅広く解説している。また音声やビデオの圧縮についても詳細に述べている。

Martin Vetterli教授



ウエーブレット変換を理解するのは容易ではないが、古典的な方法と対比させることによって、本書の展開方法は、非常に理解しやすい内容になっており、また演習問題も多数含まれ、大学院レベルの教科書としても最適であると思われる(実際に、コロンビア大学やVetterli教授が属するカリフォルニア大学バークレー校で使われている)。

Jelena Kovacevic博士


本書の構成

1章・2章は導入部であり、1章では「信号の級数展開」について概説し、古典的な変換の問題を指摘している。

2章は、本書を理解する上で必要になる「基礎」を説明している。まずヒルベルト空間の基礎を十分に示し、線形代数(行列多項式を含む)やサンプリングと離散時間フーリエ変換と共にフーリエ理論について述べている。

また連続時間と離散時間信号処理について述べ、後の章の中心となるマルチレート信号処理について説明している。

最後に時間周波数分布について簡単に示し、局所フーリエ変換、ウエーブレット変換ならびに不確定性原理について述べてある。付録でユニタリ行列の分解について解説を行っており、関数の収束性とレギュラリティについて議論している。

3章では離散時間基底とフィルタバンクに注目している。この章は、応用と共に今後の数章で重要である。ここで本書を通して繰り返し出てくる2つの簡単な展開を示す。すなわちハールとsinc基底について述べている。これらは最適な時間局在性(ハール)と最適な周波数局在性(sinc)を持つ正規直交展開の特別な例である。また正規直交と線形位相フィルタバンクの構成法を示す。

次に多チャンネルフィルタバンクについて、木構造による方法と一般的な場合を詳細に解説している。また離散時間局所フーリエ解析に概念的に相当する変調フィルタバンクについても示す。次にピラミッド並びに過剰形の表現を調べている。更に多次元の場合についても、簡単な可分形と一般的な非可分形について示す。

最後に通信のためのフィルタバンク、すなわちトランスマルチプレクサと適応サブバンドフィルタについて簡単に示している。付録では正規直交フィルタバンク(パラユニタリ行列に相当する)の分解について詳細に解説を行っている。

 4章では連続時間信号のためのウエーブレットと局所コサイン基底の構成法を示している。ここでもハールとsincをウエーブレット構成法の特別な例として説明する。

級数展開を導出した後、ウエーブレット構成の枠組みとして「多重解像度解析」について述べている。これによりMayerとBattle-LemarieあるいはStrombergの古典的なウエーブレットが導かれ、これらはフーリエ領域解析に基づいている。この後Daubeciesによって示されたフィルタバンクの繰り返しによる方法を示す。これはマルチレートフィルタの繰り返しに基づく時間領域構成法である。繰り返しの研究により離散時間フィルタのレギュラリティの概念を導出している。

次にウエーブレット構成の一般化を示す。まず1次元について(双直交や多チャンネルウエーブレット)、次いで多次元すなわち非可分形のウエーブレットを示す。最後に局所コサイン基底を示し、実数値局所フーリエ変換として見なすことができることを示している。

5章は、「連続ウエーブレットとフーリエ変換」について述べている。3章と4章の級数展開とは異なり、これは信号解析に有効な非常に冗長な表現である。これらの変換をサンプリング、すなわちスケール/周波数と時間シフトを離散化する。これにより「フレーム」と呼ばれる冗長な級数表現が得られる。

次に復元すなわち逆を示し、ウエーブレットとフーリエフレームの場合について詳細に述べている。

6章は級数展開のアルゴリズムと計算量について考えている。まず新しいアルゴリズムの核となる信号処理の古典的な高速アルゴリズムについて示し、高速フーリエ変換の鍵となる性質を指摘する。またフィルタバンクを計算する複雑さ、すなわち離散時間展開について述べている。これらのフィルタバンクのアルゴリズムはウエーブレット級数の計算に直接用いることができる。次に過剰形の展開を考える。特にサンプルされた連続ウエーブレット変換の計算について言及する。

本章の最後で、有効な畳み込みアルゴリズムやウエーブレットの考え方を数学的なアルゴリズムに適用する方法を述べている。

最終章で信号処理におけるウエーブレットとフィルタバンクの主な応用の一つである「信号圧縮」について述べている。最初に量子化とエントロピー符号化を含む変換に基づく圧縮について述べ、その後、変換に基づく1、2および3次元信号の特別な場合に議論を進めている。

最初にサブバンド符号化を用いた音声とオーディオ圧縮について議論し、今日のオーディオ符号化アルゴリズムの標準として用いられているMUSICANを特別な例として示す。

次に画像圧縮について議論している。JPEGのような現在の標準はブロック変換に基づくものであるが、現在では画像圧縮の分野では、「サブバンド」あるいは「ウエーブレット」が有望視されており、これらについて詳細に解説している。

次に「ビデオ圧縮」を示す。展開以外に動き評価/補償が重要になり、これらについて述べている。ピラミッドやサブバンド符号化における多重解像度の本質的な性質が、画像符号化と同様にビデオ圧縮の魅力的な性質となる。

最後の節で情報源符号化の相互関係、特に多重解像度と通信路符号化および伝送について述べている。このジョイント情報源通信路符号化はパケットネットワークにおける伝送のような画像やビデオ圧縮の新しい応用の鍵となる技術である。

巻末の「付録」では、符号化の基礎となる「統計的な信号処理」について要領よく簡潔に解説を行っている。
 
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