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Let'sログインUNIX
秦 浩起 他著
末永 勝柾 他著
青山 究 他著
3,600円
A5 304頁
4-87653-010-6 C3055
 近年の計算機,ネットワークの爆発的な発達の中で計算機の利用も一部の研究者や専門家の利用から一般家庭での利用に広がりを見せている.大学での教育も一頃の座学中心の講義から何らかの形で計算機を利用した講義へと様変わりしつつある.このような状況の中で,理系文系を問わず大学として統一的な計算機のリテラシイ教育の必要性が声高に叫ばれ,現在多くの大学において実施されているところである.

 現状では,多くのリテラシイ教育はワープロ,表計算等のアプリケーション教育であるが,今後の情報教育の若年化を考えればこの内容が変化していくことは容易に予測される.現在,著者等の所属している鹿児島大学でも情報教育の在り方について議論がなされ,UNIX教育は今後の大学でのリテラシイ教育の1つの柱になるであろうことが確認されていると言う.

 一方,UNIX 関連書籍の出版状況を見ると近年益々増加しているように見受けられる.しかし,その多くが極端な初心者や管理者を対象にしたものであり,一般ユーザレベルで身につけておくべきことを一冊にまとめているものは少なく,一通りの能力を身につけるには複数の書籍が必要である.

 本書は、大学における半年の講義を意識し,その時間の中で一通りの知識が得られるよう内容を精選し,インターネットの根幹をなすOSであるUNIXについて平易に説明している.具体的には以下のとおり,ログイン・ログアウトから始め,ユーザとしてのUNIXの利用について網羅的に解説をおこなっている.


本書の構成

 第1章では,本書を講義や自習において利用するに当たってのガイドラインを簡単に述べている.本書は16章から構成され,半期の講義で本章の目的別ガイドに従い利用することにより,講義の目的に合わせた利用が可能であるように工夫されている.これは,自習で用いるときも同様であるが,ほとんどの目的について3つから4つの章の内容を取得すれば達成可能である.

 第2章では,ワークステーションを利用する際に必要となる利用許可 (利用を許可されたマシン名,ユーザ名,初期パスワード) についての解説から始め,パソコン等でのtelnet (vt) 端末の起動方法,マシン名の指定,ユーザ名とパスワードの入力等を順を追って説明している.初めての人でも読みながら実際にやってみれば,ログインまではできるように,細かく丁寧に解説することに心がけている.また,ログアウトの方法は無論,その際の一般的な注意についても解説している.加えて,パスワードの重要性を説明し,推奨される安全なパスワードとはどのようなものかも詳しく述べている.

 3章では,X Window system の基本的な使用法を述べる.現在,殆どの UNIX マシンは MacOS や Windows のようにウィンドウシステムを持っている.このウィンドウシステムは,X と呼ばれ,ユーザに対して,複数のウィンドウを通してコンピュータとのやりとりを多重化し,画面上で様々なツールやアプリケーションをグラフィカルに操作する環境を提供する基盤である.本章では,ログイン後の X の起動と終了から始め,マウスの使用法,ウィンドウに並んでいる様々なオブジェクトの基本構造,よく使用するツール(kterm 等)の使い方を具体的に説明している.本文中で示す例は,現在 Linux で頻繁に使われる KDE という統合環境であるが,基本事柄に絞って解説することによって,出来るだけ環境によらず使える知識を修得できるように努めている.また,X とは?環境設定の方法は?緊急脱出の方法は?というようなことに対する入門的な知識についても触れている.

 第4章では,シェルを csh (tcsh) に限定して,UNIX上で生活・作業する際に是非必要というわけではないが,知っていれば便利な環境変数やシェル変数を,その設定の方法と共に紹介している.tset によるキーの割り当て,具体的には1文字削除の BackSpace キーやDeleteキーの割り当て変更の方法,history によるコマンド入力の省略,直前の投入コマンドの繰り返し,alias によるコマンド入力の際のタイプ量の省力,filec の設定によるファイル名の補完等を中心に解説している.また,プロンプトの変更にもページを裂き,多少遊びに近い部分も用意されているので,色々試しながら楽しんで学習できるようになっている.

 第5章では,UNIXに必ず付属してくるフルスクリーンテキストエディタ vi の基本的な使い方の解説をしている.解説する機能をカーソル移動,文字挿入,行の挿入,文字削除,行削除,カット&ペースト,コピー&ペーストと,必要最低限なものに絞り,混乱したり vi が嫌いにならないように配慮している.これだけの機能があれば一応の編集作業は行えるが,逆に言えば,これだけでは決して十分とは言えない.意外と知られていないが,vi はもっと便利で高機能である.解説できなかった機能についても,その主なものは,章末のコマンドリファレンスにまてめられている.まずはこの章を繰り返し自習 (復習) することによりvi に馴れて,これ以上の機能は必要となった時や欲しくなった時に随時自分で調べ,使いこなせる機能を少しづつ,徐々に増やせるようになっている.

 第6章では,UNIX の世界における最も強力なエディタといわれている mule (emacs) について述べる.mule は非常に多機能であり,使い方に応じたカスタマイズも可能である.しかしながら,その分複雑であり,初学者には容易に修得しづらい面もある.そこで本章では,初めて mule を使う人を対象と考え,基本的な操作方法から解説し,後に編集作業に有用な検索・置換について解説している.ここでは,実際に説明する機能は最低限に絞り,章末に詳細なコマンドリファレンスが準備されている.また,日本語入力については,端末のかな漢字変換システムを使用せず,mule に組み込まれている日本語変換システムとして代表的な Wnn と Canna を用いて解説している.

 第7章では,mail コマンドによる電子メールについて解説している.ほとんどのユーザは電子メールを読み書きする際にメーラと呼ばれるアプリケーションを利用している.確かに,メーラでは便利な機能が利用できるが,反面,それがトラブルの元にもなる.設定によってはメーラが自動で様々なことを行ってしまい,それが受取手の迷惑になってしまうことも多々ある.また,環境によってはメーラを利用できない場合も考えられる.そこで本章では,環境に関わらず利用できる mail コマンドの使い方を学ぶ.このことをとおして,mail の仕組みを理解させ,電子メールを利用する際に身につけておくべきマナーを修得させる.ここで,最も重要なことは受取手の身になって考えることであり,受取手の環境や能力を仮定したメールの送付は慎むべきだということである.ここであげている,電子メールのやり取りをする上での注意事項には,守られていないものもあるが,これらは決して勧められることではないので,重々留意されることが必要である.

第8章では,宅間 顯氏によって作成された UNIX 上のメーラの1つである mnews を使って電子メールを利用する方法を解説している.mnews は,一般的なメーラの1つであり,電子ニュースも読むことができるという特徴を持っている.ここではまず,電子メールを発送する方法を解説し,次にリプライ (返事) メールを送る方法,さらに相手のメール本文を引用したリプライメールを作成する方法が順に解説してある.本章のみで,電子メールを利用する上で必要となる一般的な知識はすべて網羅している.

 第9章では,mnews を使って電子ニュース (以下,ネットニュース)を読む方法を解説している.ネットニュースがどういうものかを理解する為には,とにかく記事を読むしかない.この理解の上で,ネットニュースを「読むだけ」に限定して章を設けている.これは,ネットニュースに関するトラブル (特に,理解の足りない初心者による) が,多発していることを考慮したためである.直接対面してのやり取りではないので,誤解の発生する可能性があるのは電子メールと同じであるが,読み手が不特定多数であるだけに大きな問題になることもある.もちろん,きちんとしたマナーを守って利用すれば,大変豊富な知識の宝庫でもあるので是非利用すべきである.毎回の講義のどこかで,ネットニュースを自由に読ませる時間を設ける事は,重要であり意義深いことだと考えてられる.

 第10章では,mnews を使ってネットニュースへの記事の投稿方法を解説している.前章でも触れているとおり,不特定多数が購読するネットニュースに投稿するには注意が必要である.ニュースグループは特定の話題に限って情報交換,議論をする場であるので,いくら重要な内容であっても投稿する場所を間違えれば「ゴミ」情報である.また,グループによって全く雰囲気が違うので,言葉遣いから問題になることもある.
最近,WWW に押され気味ではあるが,本質的な情報はやはり文字情報であることが多く.その意味では,ネットニュースの重要性はまだまだあると考えられる.第16章の心得も参考にして,ネットニュースを積極的に活用することが期待される.

 第11章では,ユーザレベルで用いられる一般的な UNIX コマンドについて解説している.UNIX では Windows や MacOS と違い,ほとんどの操作がコマンド,つまりキーボードを用いて行われる.UNIXでも最近は,使いやすい GUI を備えた OS が多く,マウス等のポインティングデバイス中心で利用するものもあるが,やはりコマンドを使うことなしに UNIX 利用することはできない.UNIX のコマンドは数多くあり,すべてを覚えるのは困難である.しかし,ユーザレベルで用いるコマンドは限られたものであり,主要なコマンドのみ身につければ,他の OS よりも快適に利用できる.特に,キーボードから手を動かさずにほとんどの動作が可能であることは習熟した者にとっては代え難い特徴である.また,man コマンドという,オンラインマニュアルも充実しているので,他の OS 同様,詳細な使い方を記憶する必要はなく,コマンド名またはコマンド名の初めの数文字さえ覚えておけば,man コマンドの機能により詳細な使い方を知ることができる.

 第12章では,UNIX コマンドの中でもネットワーク利用に関するコマンドを詳細に解説している.UNIX は元来,マルチユーザを仮定した OS であり,複数人がネットワークを介して利用するのが一般的である.必然的に,ネットワーク系のコマンドは充実しており,これらのコマンドを理解することが,他の OS でアプリケーションを用いて行っていたネットワークを利用する操作の意味をより明確に理解することにつながると思われる.自らが行っている作業の意味を理解することは,作業を効率的に行う上では必要最低限のことである.
この点,UNIX という OS は非常に簡明にできているので,一つ一つの作業の意味を理解するのは容易である.逆にいえば,意味も分からないようであればとても利用できないともいえよう.

  第13章では,多くの人にとって触れる機会が多いであろうWWWを通じて,情報の入手・発信を行うための手段を学ぶことを目的としている.まず,ブラウザなどの基礎事項を解説し,必要な情報を自由に入手できるようにWebページの利用法について学ぶ.後半では,実際にWebページを作成するためにHTMLについて解説している.初めてWebページを作成する人に読まれることを想定して,基本的制作技術を具体的なソースと共に紹介する.初歩的なWebページの作成から手順を追って説明しており,本章を精読すれば,ある程度のWebページが作成できるようになるだろう.章末にはHTMLタグとStyle Sheet のプロパティ一覧表が添付されており,本文中に触れていないものも利用できるような環境を提供し,読者の制作意欲を削ぐことのないよう留意している.

 14章では,極めて優ぐれた組版ソフトであるTeX,LaTeXの基本的な使用法を述べている.TeXは,現在,UNIX に限らず MacOSや Windows 上でも利用することができ,レポート・論文・書籍の作成を中心に広く利用されている.本章では,TeXのソースファイルの基本的な書き方から組版文書をコンピュータ上に表示し,印刷するまでの方法について一通り解説している.TeX は多少取っつきにくい側面もあるが,まずラフな全体像を見た上で,実際にやりながら確かめる形式を採り,入門者も気楽に触ってみることができるよう心掛けている.本格的に TeX を修得すれば,あらゆる文書を作成することが可能である.特に,数式を記述する機能は他に並ぶものがなく,理系の学生にとってはワープロ同様,必須のものと考えられる.本章の内容は基本的に LaTeX2.0 9に沿っているが,新しいバージョン 2εへの対応についても解説している.

 第15章では,パソコンや X 端末で UNIX を利用する際に起こりうる各種トラブルの対処法についてまとめている.今はさすがに少なくなったと思うが,何かトラブルがあるとすぐ電源を切ってしまい,重要なデータが失われるといった事例が多発していた.このような問題は計算機メーカの努力やユーザ指導等により減少しているが,ネットワークを介して UNIX を利用する場合,別の問題も発生する.パソコン等のクライアントの電源が落ちても,サーバの電源が落ちるわけではなく,動かしているプロセスも止まるわけではない.この点を注意しないといつまでも課金されていたり,他人に迷惑をかけることにもなる.ここでは,原因の切り分けに基づいたトラブルの対処法を平易に解説している.

 第16章では,インターネットを利用する上での心得を簡潔にまとめている.インターネットの利用者が特定の研究者のみから一般の計算機ユーザやまったく計算機を使わないユーザに広がり,開発当初では考えられないような問題が起きている.その中には,明らかに既存の法律に触れるようなものから,法律には触れないが慣習に反するものなど様々なものが含まれる.ネットワーク上の行為が既存の法律に触れるかどうかを判断することでさえ,一般のユーザにとっては容易ではない.その上,慣習に精通することは困難である.現在,ネットワーク上の行為に関する法律の整備が進められているが,今のところ未整備の状態であり,時々刻々と変化する状況に法律で対応するにも自ずと限界がある.インターネットといえども,決して仮想的な社会ではなく,我々が生活している現実の社会の一部なのであって,法律や社会的なルールが同じように適用されると考えられる.たとえ法に触れなくても,実社会で受け入れられない行為,嫌われる行為は,インターネットでも受け入れられるはずはない.このような状況下で問題を起こすことなくネットワークを利用するには,いくつかの約束事を守る必要がある.ここでは,明確に規定されているわけではないが,こうしておけば無難であろうという程度のものを含めて,規則という形でなく心得という形で,ネットワークを利用する上での注意事項をまとめている.
 
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