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理工系のためのC言語プログラミング入門
内田 智史 著
3,600円
A5 450頁
4-87653-011-4 C3055
一般にプログラミング言語を習得することは大変なことである.自由にプログラムを組めるようになるには,ハードウェアやソフトウェアの知識だけでなく,かなりのプログラミング経験を積まなければならない.その中でも特に,C言語は難しいと言われている.「学問に王道なし」と言われているように,C言語を習得して,自由にプログラムが組めるようになるには,大変な量の学習が必要になる.本書は,C言語の習得が大変難しいことを十分に認識した上で,まったくの初心者を対象にして,その読者がプログラムを確実に組むことが出来るようになるまでを解説したC言語のベストセラーの著者によるC言語によるプログラミングの演習用テキストである.また,本書で取り上げている例題は,極力,理工系の科学技術計算を中心としたものにしている。

本書のレベルは,大学低学年の学生が読んで,十分自習できる内容に設定している.各章では,最初に,その章で解説する文法事項の全体像を説明した後,問題を解く形式でC言語のプログラミングについて解説している.

 そこでは,(1) 問題,(2) 分析・設計,(3) プログラミングの順で解説を加えている.さらに,必要に応じて,(4) 考察,を設け,より高度な話題を提供するように構成されている.

 分析・設計の項では,プログラム作成過程をできるだけ明確に読者に伝えるように工夫されている.プログラムを作成する場合,どんなに優秀な人間でも,すんなりとプログラムを完成させることはまれで,必ず,失敗やミスが付き物である.ところが,最終的に完成したプログラムは,当然,デバッグ作業により修正されてしまうから,そのような失敗の痕跡が消えてしまっている.本書では,そのような失敗の過程もできるだけ,読者に伝えるように配慮されている.

前半の章では,可能な限り説明を詳細にして読者の理解を高め,章が進むにつれて説明をシンプルにして読者の煩わしさを排除している.また,本書では,説明のためだけの無意味な例題を載せることは極力避け,意味のある例題を載せるように工夫されている.また,できるだけ理数系の学生の興味を引くような例題を選択している.各章の最後には,演習問題が配置されている.この演習問題を出来るだけ多く解くことがC言語習得の秘訣といえるであろう.演習問題も,あまり現実ばなれした意味のないものは載せずに,読者がこれからプログラムを作成していく上で役に立つような項目を取り入れるように配慮されている.また,なるべく読者がC言語のもついやらしい落し穴にはまり込まないように注意した.C言語の文法は,JIS規格に沿うように配慮している.用語もJIS規格に沿うように記述されているが,いくつかの用語については,JIS規格の用語ではなく,一般的に知られている用語を用いている.また,本書では,特定のプラットフォームやコンパイラに依存しないように配慮されているが,具体的な処理系を想定しなければならない部分では,GNU Cコンパイラを仮定している.

本書の構成


第1章「やさしい入門」 初心者を対象にプログラムやプログラミングの概念を紹介している.


第2章「変数と計算」 基本的なデータ型とそれを用いた計算プログラムの作り方について解説している.プログラムを組むときに意外に気づかないオーバーフローの問題や計算誤差についても取り上げている.また,組込み関数の使い方についても言及している.


第3章「条件判断」では,if文などの条件文の解説とそれを用いたプログラミングについて解説している.組込み関数のエラー対策などについても言及している.


第4章「ループ」 繰り返し処理について説明している.繰り返し処理は,タイミングの概念を含むので,初心者は最初にここでつまずきやすい.そのため,非常にやさしいところから解説している.第4章では、科学技術計算のシミュレーションなどによく用いられる乱数についても取り上げている.また,プログラムをデバッグする際に必要となるシンボリック・デバッガについても解説している.


第5章「配列」 主記憶装置内で大量のデータを扱う配列について解説する.これによりベクトルや行列を扱えるようになる.配列を使えるようになり,より本格的な処理が可能になったので,演習問題のレベルも第5章からは少し高くなっている.


第6章「関数」 C 言語のプログラム単位である関数について学習する.分割コンパイルなどについても言及している.これにより,大規模なプログラムを作成することができるようになる.そのために,段階的詳細化などのプログラムの作成技術についても解説している.また,再帰関数を扱うことができるようになったので,クイックソートなどのテクニックも紹介している.


第7章「ポインタと構造体」 ポインタとそれに関連するプログラミングテクニックを学習する.配列とポインタとの関係やメモリの動的割り当てなどについても説明している.構造体を学習した後には,データ構造の基本であるリスト処理について言及している.リスト処理では,その考え方やプログラムの作り方についても説明している.


第8章「ファイル」 補助記憶装置上に確保された大量のデータを処理する方法について学習する.テキストファイルだけでなく,効率よくデータを処理できるバイナリファイルについても言及している.


第9章では,各章の「練習問題」のヒントが詳細に記載されている.本文中ではピンとこなかったプログラミングテクニックが,このヒントを読むことによって明らかになる。


本書が,他のC言語の書籍と異なる点は,読者にそれなりの努力を要求しているという点である.前述したように,プログラミング言語の習得,その中でも特にC言語の習得は非常に大変な学習を必要とする.そのために,可能な限り多くの演習問題を配置して,読者が自ら学習できるように配慮されている.読者の確実な努力を要求するため,演習問題の解答は記載していないが,その代わりに詳細なヒントをすべての演習問題に記載されている.このヒントの中には,プログラミングテクニックがさまざまな形で紹介されているので,読者のプログラミングテクニックの向上に必ず役に立つであろう.本書は,一通りC言語のプログラミングで必要になるであろうと思われる項目は網羅している.本書は,演習書に近い形態を取っているため,プログラミングの考え方やテクニックは詳細に説明している.本書はあくまでも初心者に対する入門書である.本書の読者層として期待している読者は,本当にプログラムを組むことが出来るようになりたいと願っている読者である.本格的な例題と演習問題を多く含めているのはそのためである.C言語は,相当努力しないと,自分のものにすることができないが、本書が,そのような読者にとっては必読書と言える。

 
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