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有限要素法の数値計算
K.J.Bathe 他著
E.L.Wilson 他著
菊池 文雄 訳
14,800円
A5 624頁
4-87653-014-9
 有限要素法のユーザーにとっては有限要素解析のための数値計算法の占める位置は大きい。その点を考慮した成書の出現は各方面から望まれていた。

 本書はまさにその期待に答えるものである。著者のバーテおよびウイルソン両教授は有限要素法における数値計算法の研究の第一人者であり、特に動力学問題や固有値問題の研究で世界的に知られている。その成果は本書の随所に織り込まれている。

 最初にマトリックスとベクトルに関する説明があり、次に有限要素法の定式化、原理,変分法、要素モデル、プログラムの構成について記述がある。特にアイソパラメトリック要素についても一章をもうけている。

さらに本書の主題とも言うべき数値計算法に関する解説が続く。内容は静的な平衡方程式を表す連立一次方程式の解法、動力学問題における直接積分法、固有値問題の解法等であり、特にサブスペース法など固有値問題に対する記述は詳しい。必要に応じFORTRANによる詳細なプログラム例も多数与えられている。簡単な問題に対する数値例も示されており、解法の特性の比較に役立つ。

 内容は豊富であり、記述はていねいで、簡単な具体例を多数使用してわかりやすく説明してある。実際の必要に応じて関係の深い部分を読むことも出来るし、輪講用にも最適である。本書は有限要素法の原理、計算法を理解し、実際に問題を解こうとする工学系の大学院・研究者・エンジニヤの必読書である。
 
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