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コンセプトデザイニング
企画・設計・評価への科学的アプローチ
島田 哲夫 他著
原田 利宣 他著
4,800円
A5 176頁
4-87653-009-2 C3055
 デザインには,感性に加え論理的な思考によって導かれる概念が必不可欠であり,概念を創出することこそがデザインの本質であるとされてきた.本書はこのデザイン情報の分析による概念創出法(コンセプトデザイニング)に関する系統的な専門書である.本書基礎編では各種方法論の歴史,概要,ならびに各種分析手法を明解に論じている.また応用編ではデザインプロセス;すなわち「分析」のプロセスからはじまり,「総合」のプロセスを経て,「評価」のプロセスに至る各フェーズにおいて典型的な実例をあげ,各種分析手法の応用についてわかりやすく解説している.さらに添付した解析ソフト(多変量解析法・グラフ理論・数学基礎論)を用いて自らの問題に適用し,理解を深めることが可能となっている.

 もの作りにはその時代時代の「必要」が根底にあり,それから発する「概念」により,もののデザイン,つまり色,形,構造,機能,仕様などが制御されてきた.この「概念」のことをシステマティック・デザイン方法論の先駆者であるJ.クリストファ・ジョーンズは,“使用のパターン”と呼び,これを創出することがデザインの本質であると示唆した.

 本書では,このデザインのための概念創出支援を目的とし,それを可能とするシステマティック・デザイン方法論の紹介,ならびにそれを応用した実例の紹介を行い,その方法論の有効性を論じたい.

 今日,あらゆる情報が豊富に入手できるようになったが,例えば平均的企業におけるもの作り,つまり製品開発において,その関連する情報が的確に分析され,実際の製品作りに有効に生かされているかについては疑問を感じる.その原因としては,得られた情報をどのように分析すればよいのかに関するシステマティック・デザイン方法論が学術的には研究されても,実務へ応用することを前提にした教育やその方法論を身につけた人材がまだまだ足りないからであろう.また,この方法論のひとつであるシステム工学を理解し実務に応用する場合を考えても,そのためには数学などの専門知識から実際の実務に関する知識まで,学際的でかつ幅広い知識や視野が要求されることなどもその一因と考えられる.

 しかし,このシステマティック・デザイン方法論を有効に応用できるか否かは,企業にとっては意思決定のスピードや正確さを左右し,その企業の生命線に関わってくるのである.それゆえ,本書で紹介するシステマティック・デザイン方法論の重要性が今日改めて認識され始めている.また,近年,システム工学と名の付く学部や学科を創設したり,関連する科目を新たに設置する大学が増えてきていることからも,その重要性がうかがえる.

 そこで本書の著者らは上記のことを念頭に置き,システマティック・デザイン方法論をはじめて学ぶ学生や,この方法論の実務への応用を考えている実務者を対象に,本書の著者は以下の3つの項目を基本に本書を執筆している.


1)システマティック・デザイン方法論は,基礎統計,多変量解析など科学的方法を用いるが,より理解を深いものにするため,その数学的基礎や意味合いを簡潔にまとめるとともに,この方法論の発展の歴史およびその背景,いくつかの視点からの方法論の分類・体系化などもわかりやすく解説する.これによりシステマティック・デザイン方法論を用いる意義,可能性を示唆する.以上をまとめて「基礎編」を構成している.

2)読者がシステマティック・デザイン方法論をどのように実務に応用すればよいか理解しやすいように,デザインプロセス(分析→総合→評価)を基準に,それぞれの段階における方法論の応用について論じる.この部分は「応用編」としてまとめ,各段階に典型的な実例をあげ,いかに方法論を用いるか,また結果の解釈の仕方,さらに方法論を用いる際の注意事項などをわかりやすく解説している.

3)上述のようにシステマティック・デザイン方法論は実学的側面を持つ.つまり,単にその理論を学べば実務に応用できるというものではなく,諸問題に対してどのような手法をどのように用いればよいかは,かなりの実体験を要するのである.そこで,本書には,筆者らの開発したシステマティック・デザイン方法論の主要な手法を網羅した解析ソフトを付属している.

 添付したソフトウェアは通常のコンセプトデザイン作業に必要な主な手法を網羅し,3つのグループ;すなわち多変量解析法・グラフ理論・基礎論から成り立っている.多変量解析については重回帰分析法,主成分分析法,数量化理論第I類,数量化理論第III類,数量化理論第IV類,クラスター分析法(座標),クラスター分析法(距離)の7本を用意した.さらにグラフ理論についてはバイナリ構造化法,重み付き構造化法,階層分析法の3本,基礎論については基礎統計,線形代数,実験計画法の3本のソフトウェアを添付している.

 これらの解析ソフトを利用して,単に本書を読み理論や応用例を学ぶだけでなく,実際に読者自身の持つ例題を分析してみることが可能となっている.また,これにより,読者がより深くシステマティック・デザイン方法論を理解し,その有効性が実感できるように工夫されている。

基礎編

第一章 序論  1
 1.1 デザインとは ........ 1
 1.2 デザインプロセス .. 4
  1.2.1 デザインプロセスと情報 ...... 4
  1.2.2 デザインプロセスにおけるコンピュータ支援 .... 10

第二章 システマティック・デザイン方法論の発展 .. 15
 2.1 伝統的な直観的デザイン方法からシステマティック・デザイン方法論へ .. 15
 2.2 システマティック・デザイン方法論 .. 17
  2.2.1 直観的能力と論理的展開能力 ...... 17
  2.2.2 情報理論に基づく方法論の分類 .... 19
  2.2.3 デザインプロセスに基づく方法論の分類 ...... 24
 2.3 システマティック・デザイン方法論とシステム工学 .... 27

第三章 システム工学における様々な分析方法 ...... 35
 3.1 データの種類 .. 35
 3.2 基礎知識 . 37
  3.2.1 線形代数 ... 37
  3.2.2 基礎統計 ... 40
  3.2.3 基礎解析 ... 42
 3.3 多変量解析 ...... 44
  3.3.1 多変量解析とは .... 44
  3.3.2 多変量解析の目的と種類 ....... 45
  3.3.3 重回帰分析法概説 ....... 46
  3.3.4 主成分分析法概説 ....... 52
  3.3.5 数量化理論第I類概説  58
  3.3.6 数量化理論第III類概説 ....... 60
  3.3.7 数量化理論第IV類概説 ....... 63
  3.3.8 クラスター分析概説 ... 67
 3.4 構造モデル ...... 70
  3.4.1 構造モデルの種類 ...... 70
  3.4.2 ISM法概説 ........ 72
  3.4.3 DEMATEL法概説 ..... 74
 3.5 実験計画法概説 ........ 77
 3.6 階層分析法概説 ........ 79

応用編

第四章 『分析』における応用例 .. 83
 4.1 『分析』における課題の特徴 ...... 83
 4.2 問題やアイデアを構造化して問題領域を視覚的にまとめる 
    (問題設定へのバイナリデータによる構造化法の応用)
 4.3 問題項目やアイデアの重要度を求める ....... 88
    (優先順位設定への階層分析法の応用)
 4.4 製品の量的属性値からのプロダクトマップの作成 ........ 90
    (主成分分析法,クラスター分析法の応用)
 4.5 製品の質的属性値からのプロダクトマップの作成 ....... 99
    (数量化理論第III類,クラスター分析法の応用)

第五章 『総合』における応用例 . 107
 5.1 『総合』における課題の特徴 .... 107
 5.2 設計対象の要素やアイデアを縮約し本質的な問題を抽出 .... 108
    (問題縮約への重み付き構造化法の応用)
 5.3 設計項目を最適化する .... 112
    (可能解探索への実験計画法の応用)
 5.4 設計対象の構造の最適化  116
    (可能解探索への数量化理論第IV類の応用)

第六章 『評価』における応用例  121
 6.1 『評価』における課題の特徴 .... 121
 6.2 属性値が量的に表される可能解からの最適解の探索 .. 122
    (評価への重回帰分析法の応用)
 6.3 属性値が質的に表される可能解からの最適解の探索 ... 126
    (評価への数量化理論第I類の応用)

第七章 解析ソフトマニュアル ... 131
 7.1 推奨システム構成 .... 131
 7.2 解析ソフトのインストール ...... 132
 7.3 サンプルデータの生成 .... 138
 7.4 解析ソフトの実行1 -データファイルの選択・修正・新規作成 .... 139
 7.5 解析ソフトの実行2 -実行・分析結果の表示・保存 ........ 143
 7.6 解析ソフトの実行3 -その他 ........ 147
 7.7 ヘルプ機能 .... 148
 7.8 入力データ・分析結果の参照と移動  149
 7.9 印刷・フォルダ設定 ........ 152

参考文献 .. 155
索引 . 157

付属解析ソフト(CD-ROM)の内容
  1)多変量解析
   ・重回帰分析法
   ・主成分分析法
   ・数量化理論第I類
   ・数量化理論第III類
   ・数量化理論第IV類
   ・クラスター分析(距離)
   ・クラスター分析(座標) 
  2) グラフ理論(構造グラフ)
   ・バイナリデータによる構造化法(ISM法)
   ・重み付き構造化法(DEMATEL法)
   ・階層分析法
  3)基礎論
   ・統計
   ・線形代数
   ・解析
   ・実験計画法

 
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