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ディジタルビデオの基礎
ジョン・ワトキンソン 著
橋本 慶隆 訳
9,800円
A5 454頁
4-87653-023-8 C3050
ディジタルビデオ機器が主流となるにつれて、より多くの人々がディジタルビデオ機器に触れる機会が増えてくるが、ディジタルビデオ機器においてはアナログビデオと全く異なる技術を用いているため、新しいスキルが必要になる。従って、ディジタルビデオ技術の分かり易い解説書が必要となるが、本書は正にその要望に応えたものと言えよう。

本書はディジタルビデオの背景にある技術を分かり易く紹介すると共に、技術の現状について適切な解説を行ったものである。通常、数学的に取り扱われる複雑な課題については、252枚に及ぶ多数の図面を用いて平易に説明されており、ディジタルビデオ技術に関する大きな流れを把握することができる。本書の読者にはディジタル技術に対する知識が前もって想定されてはおらず、どの課題も最初の原理から解説されている。


本書の内容

第1 章では、「ディジタルビデオの概要」として、ビデオ信号の特徴とディジタル化の意義について述べた後、第2 章以降で詳細に解説されるエラー訂正・修整、チャネル符号化、方式変換等の各種信号処理および各種ディジタルビデオ機器(ディジタルVTR、ディジタルビデオ・ディスク、ノンリニア編集装置等)について概説し、本書全体の流れが把握できるよう配慮されている。

第2 章では、「AD 変換とDA 変換」について解説されている。サンプリングとエイリアシングの関係、サンプリングレートの選択においてコンポジット信号とコンポーネント信号で注意すべきこと、サンプリングクロックのジッタの影響、ディザの効果、オーバサンプリングの効果等の関連技術に関する考え方が解説されており、アナログ領域とディジタル領域を結び付ける変換技術を理解するのに有益である。

第3 章では、「ディジタル信号処理」の基礎が与えられている。ディジタル信号処理は数値演算に基づいて行われるが、本章では、数値表現の方法、演算上の注意事項等を解説した後、ディジタルビジョンミキサ、キーング、フィルタリング、直交変換、ディジタルビデオ効果(DVE)、方式変換、DCT によるデータ圧縮等の具体例によって、ディジタル処理の実際が解説されている。

第4 章の表題は「ディジタル符号化の原理」となっており、チャネル符号化とエラー訂正符号化について解説されている。まず、磁気記録媒体と光記録媒体を例としてチャネル符号化の必要性を述べ、幾つかの例が挙げられている。次に、エラー訂正修整の考え方を述べ、リード-ソロモン符号、イレージャ訂正、インタリービング、シャフリング、積符号などエラーの訂正と修整に不可欠な要素技術が解説されている。

第5 章では、「ディジタルビデオインタフェース」と題してディジタルビデオ機器間のインタフェースについて解説されている。インタフェースの重要性を述べた後、直列インタフェースと並列インタフェースの長短、コンポーネント信号とコンポジット信号での相違、直列ディジタルインタフェースとして標準化されているSDI(Serial Digital Interface)、スタジオにおけるルーティング等が要領良く紹介されている。

第6 章では、「ディジタルVTR」が解説されている。家庭用ディジタルVTR に関する記述はないが、放送用ディジタルVTR については、初めて商品化されたコンポーネント用のD-1VTR から、最近のデータ圧縮を用いたディジタルベータカムまで、具体例によって説明されている。また、コンフィデンス再生、タイムコード、ピクチャ-イン-シャトル等、VTR 特有の技術がアナログ技術とディジタル技術の対比を織り交ぜながら説明されている。

第7 章では、現在、大変ホットな話題となっている「ノンリニア編集」に関する技術が解説されている。ワークステーションによるシステム構成から説き起こし、ハード-ディスクばかりでなく光ディスクも含めた編集の実際について解説されており、ノンリニア編集に関する基礎知識を得るために好適である。

なお、本書には重要な技術用語を解説した「用語解説」が添付されている。また、本書では訳者による索引の他に、「用語対訳」として、原書の索引を日本語訳したものが元の英語と対訳の形で添付されており、参考書として利用するための便宜が図られている。

このように、本書ではディジタルビデオ技術の基礎から応用までが、多くの図面を用いて要領よく解説されており、これからディジタルビデオを学ぼうとする学生や若手技術者には入門書として、また現場で実務に携わっている技術者には、ディジタルビデオの基礎を再確認するための参考書として大変役立つ必読書と言えよう。
 
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